イーサリアムとビットコインは、仮想通貨を代表するコインです。
その時価総額も、仮想通貨全コインの中でビットコイン1位、イーサリアム2位となっており、圧倒的なシェアを誇っています。
仮想通貨はそれぞれ特徴が違います。
実装されている機能、目的の違いですね。
イーサリアム、ビットコインも他の通貨とは違う独自の特徴を持っています。
その機能性、将来性で非常に人気の高い仮想通貨です。
それぞれの違いを説明する前に、仮想通貨の共通点を確認しましょう。
仮想通貨歴7年のわたしが解説します。
執筆者 かず
株式投資20年以上、日経先物トレーダー
仮想通貨7年以上、長期投資メイン
現在ビットコインはじめ、複数のアルトコインを保有
目次
仮想通貨(暗号資産)の共通点
仮想通貨とは
「ブロックチェーン技術を使ったデジタル通貨」
のことです。
そしてブロックチェーンとは、仮想通貨取引の基盤となる技術です。
ブロックチェーンはネットワーク内での全ての取引を記録する「データベース」としての役割を持っています。
取引をブロックで記録・管理し、それらのブロックを連鎖させて分散管理していることからブロックチェーンと呼ばれています。
ネットワーク上の多数のコンピュータによって管理され、新しい取引が確認されるたびに取引記録が更新されます。
要は、そのブロックチェーン技術にそれぞれの特徴があるわけですね。
それを踏まえてイーサリアムとビットコイン、それぞれの特徴や違いは何でしょうか?
一番の特徴からお伝えすると…
イーサリアム
スマートコントラクト技術
ビットコイン
価値の交換・保管
これがそれぞれの特徴です。
ちょっとよく分からないかもしれません。
例えるなら、
イーサリアム
「自動販売機」
ビットコイン
「デジタルゴールド」
と考えるとわかりやすいです。
「自動販売機?どういうこと?」
「デジタルの金?どこが似ているの?」
そう思われますよね笑
大丈夫です。
ちゃんと説明します。
イーサリアム:スマートコントラクト
スマートコントラクトは、ブロックチェーン上で、事前に決められたルールに従い契約を自動で実行するプログラムです。
自動販売機と考えるとわかりやすいです。
例えば、自販機で、コーラを買うとします。
自販機にお金を入れてコーラ(商品)を選ぶと、コーラを買うことができますね。
自販機には、
「この金額で、このボタンを押せば、コーラが出る」
というルールが事前に決められています。
欲しい商品のボタンを押す(条件を満たす)ことで、自動的にその条件に従って商品が出てくる(取引が実行される)、という決め事です。
スマートコントラクトは、これをインターネット上で、取引や契約を自動的かつ信頼性の高い方法で処理することができる、契約の仕組みです。
smart contract =賢い契約
ネーミング通りとても賢い仕組みです。
ちなみに、ビットコインのブロックチェーンには、このようなプラットフォーム機能は搭載されていません。
「自動販売機」
これが、イーサリアムの一番の特徴です。
ビットコイン:「デジタルゴールド」
2009年に「サトシ・ナカモト」によって開発された世界初の仮想通貨になります。
国家の管理下にある法定通貨とは違う、「非中央集権型」の通貨を、ブロックチェーン技術を使うことで実現したものです。
ビットコイン以外の通貨をアルトコインといいますが、このアルトコインはビットコインを参考に設計・開発されています。
イーサリアムももちろんそうです。
最初にできた仮想通貨ですから、その設計理念はとても原理主義的だと言えます。
要は、
「通貨としての機能や保存手段に特化している」
ということです。
そして、世界で初めての仮想通貨であるビットコインが、この業界で先行優位性をもっていることも、通貨としての資産価値がクローズアップされる要因だと思われます。
そしてもうひとつ、ビットコインが「金」「ゴールド」に例えられる理由があります。
資産としてもとても人気の高い「金」ですが、人類がこれまで世界各地で採掘してきた金の採掘総量は、およそ18万トンだそうです。
これはオリンピック競技用プールのおよそ3.8杯分。
そして、未採掘の金の埋蔵量は、およそ5万トンと言われています。
合計すると、地球上に存在する金は全部で23万トンということです。
そんな人気のある金ですが、今の技術を持ってしても、人工的に作り出すことが出来ません。
「総量が決まっている=有限である」
「人工的に作り出せない」
この2つの要素が、金の希少価値、そして価格を押し上げているのです。
それでは、あらためてビットコインを見てみましょう。
ビットコインの総発行枚数は2100万枚と決まっています。
そして、ブロックチェーン技術で作られたビットコインはデータ改ざんに強く、同じものを作りだすことが不可能といわれています。
「総発行枚数がきまっている」
「偽造することがむずかしい」
どうでしょうか?
ビットコインと金、似ていると思いませんか?
「デジタルゴールド」
これが、ビットコインの一番の特徴です。
イーサリアム
自動販売機≒スマートコントラクト技術
ビットコイン
金(ゴールド)≒価値の交換・保管
同じ仮想通貨ですが、特徴が大きく異なるのですね。
最後に、これ以外の機能と違いについても触れたいと思います。
その他の機能と違い
イーサリアム | ビットコイン | |
創業者 | ヴィタリック・ブテリン | サトシ・ナカモト【匿名】 |
時価総額ランキング | 2位 | 1位 |
発行上限 | 無制限 | 2100万BTC |
実装される用途、価値 | スマートコントラクト dAppsの開発・構築 (ブロックチェーン技術を使用したアプリやゲーム) | デジタルゴールド(通貨としての価値・保管) |
ブロック生成時間 | 約15秒 | 約10分 |
コンセンサスアルゴリズム | PoS (プルーフ・オブ・ステーク) | PoW (プルーフ・オブ・ワーク) |
半減期 | なし | 4年ごと |
※2024年4月時点
創業者
イーサリアム | ビットコイン | |
創業者 | ヴィタリック・ブテリン | サトシ・ナカモト【匿名】 |
イーサリアムはカナダ人のヴィタリック・ブテリンによって、2015年にリリースされました。
ヴィタリック・ブテリンは2011年にビットコインに出会ったとされ、その後ウォータールー大学の学生だった2013年にイーサリアムのホワイトペーパーを発行しています。
学生時代にこのプロジェクトを発想したなんて、本当に天才ですね。
一方、ビットコインはサトシ・ナカモトという正体不明の開発者によって、2009年にリリースされました。
日本人のような名前ですがいまだ国籍はわかっていません。
個人ではなくグループではないかともいわれています。
いまでも、「自分こそサトシ・ナカモトだ」と名乗る人物が現れ、そのたびに大きな話題を集めていますが、実際のところはまだ分かっていません。
時価総額ランキング
イーサリアム | ビットコイン | |
時価総額ランキング | 2位 | 1位 |
イーサリアムの時価総額は55兆円で第二位、ビットコインの時価総額は178兆円で第一位。この2つの仮想通貨が圧倒的シェアを誇っています。
それは、イーサリアムとビットコインが圧倒的な人気を誇っているからだとも言えます。
発行上限
イーサリアム | ビットコイン | |
発行上限 | 無制限 | 2100万BTC |
ビットコインの総発行枚数は、先に説明した通り、2100万BTCと決められています。
一方、イーサリアムは無制限となっています。
その供給量をコントロールするため、イーサリアムはバーン(焼却)を採用しています。
バーンとは、仮想通貨の発行枚数を減らす仕組みのことです。
バーンをすることで、流通する通貨の一枚あたりの価値を高めることができます。
バーンの管理はスマートコントラクトにより自動化されています。
ETHは発行枚数よりも多くバーンされ、緩やかに総発行枚数が減少していることから、その価値は少しずつ上昇しているといえるでしょう。
ただし、イーサリアムも、今後、上限が設定されるのではないかといわれています。
現時点ではビットコインは最終的には上限があり、イーサリアムは現時点ではない、という認識で大丈夫です。
実装される用途、価値
イーサリアム | ビットコイン | |
実装される用途、価値 | プラットフォーム スマートコントラクト dAppsの開発・構築 | デジタルゴールド (通貨としての価値・保管) |
イーサリアムの特徴のひとつに、プラットフォームが挙げられます。
プラットフォームとは、さまざまなサービスを動かすためのベースとなる仕組みの事をいいます。
ビットコインには、プラットフォームのような機能はありません。
イーサリアムというプラットフォームを基盤にして、さまざまなサービスを展開できるのが、イーサリアム(ETH)の魅力です。
スマートコントラクトについては先に説明しましたが、もうひとつ大きな機能を持っています。
それが DApps ( 分散型アプリケーション)です。
例えば、スマホに入っているアプリは管理・運営している会社がありますよね。
この DAppsは、管理者のいない、ブロックチェーン上のアプリなのです。
ブロックチェーンの仕組みを活かし、ネットワーク参加者同士で確認し合うので、管理者がいなくても取引の不正や改ざんが起こりにくい仕組みになっています。
スマホにもゲームやラインなど色んなアプリがあるように、DAppsにも様々なアプリがあります。
「自動販売機」で説明したスマートコントラクトを活用することで、今後より多くのサービスが提供される予定です。
ブロック生成時間
イーサリアム | ビットコイン | |
ブロック生成時間 | 約15秒 | 約10分 |
ブロック生成時間とは、新しい取引を記録したブロックが、ブロックチェーンに追加されるまでの時間のことをいいます。
ブロック生成にかかる時間はビットコインが約10分、イーサリアムが約15秒前後です。
ご覧の通りイーサリアムとビットコインのブロック生成時間には、大きな違いがあります。
ブロック生成時間は取引時間に直結しますので、これに関してはイーサリアムが優れていると言えるでしょう。
イーサリアムはビットコインのデメリットを改良することで、取引承認時間を大幅に改善することができているのです。
コンセンサスアルゴリズム
イーサリアム | ビットコイン | |
コンセンサスアルゴリズム | PoS (プルーフ・オブ・ステーク) | PoW (プルーフ・オブ・ワーク) |
コンセンサスアルゴリズムとは、直訳すると「合意形成の方法」となります。
先に説明した通り、ブロックチェーンは各取引をブロックで記録・管理し、それらのブロックを連鎖させて分散管理しています。
新たな取引を行うと、それらをひとつのブロックにして暗号化し、ブロックチェーンの先端につなげます。
ブロックを追加するときに必要なルール(合意形成の方法)を、コンセンサスアルゴリズムといいます。
コンセンサスアルゴリズムは代表的なものが2つあります。
それが、PoSとPoWです。
イーサリアムは現在PoSを、ビットコインはPoWを採用しています。
それぞれの特徴は以下のとおりです。
PoS(イーサリアム)
仮想通貨保有量が多いほどブロック承認の役割を得られる確率が高くなる仕組み
メリット:承認までの時間が短い
デメリット:通貨保有量の多い人が有利なため、富の集中が起きやすい
PoW(ビットコイン)
膨大な計算をこなして、先に取引を承認した人が報酬を得られる仕組み
メリット:誰でも参加できる
デメリット:膨大なコンピュータを使用するため、消費電力が大きい
これは、どちらが良い悪いの話ではありません。
それぞれにメリット、デメリットがあります。
半減期
イーサリアム | ビットコイン | |
半減期 | なし | 4年ごと |
半減期とは、ビットコインのマイニング報酬が半分になる現象のことをいいます。
この半減期はビットコインの供給量が減少することにより、一般的にビットコインの価格が上昇する傾向にあるため、毎回多くの投資家が注目しています。
2024年はビットコインの半減期の年にあたり、2024年4月20日ごろに実施さてれています。今回で4回目の半減期となります。
ちなみにイーサリアムにはこの仕組みはありません。
先に説明した通り、ブロックチェーンは、取引をブロックで記録・管理し、それらのブロックを連鎖させて分散管理しています。
マイニング報酬とは、取引を確認し、新たなブロックをブロックチェーンに追加する作業(マイニング)を先に行った人々(マイナー)に対する報酬のことをいいます。
ブロック生成の報酬として、マイナーにはビットコインが与えられる仕組みになっています。
これは、ビットコイン価格の急上昇(インフレ)を防ぐための仕組みとして設計されており、ビットコインの供給量をコントロールするために行われます。
まとめ
できるだけカンタンにわかりやすく説明をしてきましたが、いかがでしたか?
イーサリアム
「自動販売機」≒スマートコントラクト技術
ビットコイン
「デジタルゴールド」≒価値の交換・保管
これが一番の強みです。
しっかり理解しましょう!
イーサリアムとビットコインは大変人気の高い仮想通貨です。
それぞれの特徴を理解して、ご自身の資産形成に役立てて下さい。
イーサリアム、ビットコインはどこで買えるの?
イーサリアム、ビットコインは仮想通貨の主要通貨ですので、国内取引所の多くが取り扱いしています。
「おすすめの取引所をいくつか知りたい」
という方は、
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