カルダノ(ADA)は時価総額ランキングでも上位に位置する、人気のある仮想通貨(暗号資産)です。
そんなカルダノ(ADA)ですが
「あまり良いうわさは聞かないな…」
「将来性はあるの?」
「イーサリアムに似ているんでしょ?」
このようなご意見をよく聞きます。
2017年にローンチされた当初、日本から一気にブレイクした経緯があるため、なんとなく知っている方もいるでしょう。
そんなみなさんのギモンを株式投資歴20年、仮想通貨歴7年の僕が解説します。
この記事を読むと、
「カルダノ(ADA)は本当に怪しいのか」
「カルダノ(ADA)はどんな通貨なのか?」
「カルダノ(ADA)に将来性はあるのか?」
を理解することが出来ます。
「カルダノ(ADA)の将来性について興味がある!」という方は、ぜひこの記事を参考にしてください。
設計原則と工学的ベストプラクティスを採用
環境に優しいPoSアルゴリズム
高い安全性と信頼性を実現する「ウロボロス」
ステーキングによる報酬
スマートコントラクト「プルータス」
5フェーズに分かれた開発計画
コミュニティ主導のガバナンス
執筆者 かず
株式投資20年以上、日経先物トレーダー
仮想通貨7年以上、長期投資メイン
現在ビットコインはじめ、複数のアルトコインを保有
※この記事では呼称を仮想通貨で統一していますが、暗号資産、暗号通貨は同じ意味です。
目次
カルダノ(エイダコイン)とは
カルダノは、DApps(分散型アプリケーション)の開発ができるブロックチェーンプラットフォームのことで、エイダコイン(ADA)はカルダノで使用される基軸通貨(ネイティブトークン)を指します。
プラットホーム…カルダノ
仮想通貨…エイダコイン(ADA)
となります。
時価総額ランキングでも10位と大変人気のある仮想通貨になります。
DAppsとは
ブロックチェーン技術を利用して動作するアプリケーション。
通常のアプリと違い、中央のサーバーや管理者が存在しない。
その代わりに、ブロックチェーンのネットワーク上で全ての取引やデータが記録され、透明性とセキュリティが確保される。
これにより、ユーザー同士が直接取引やサービスの利用を行えるため、仲介者を排除し、コストを削減できる。
具体的な例として、分散型金融(DeFi)や分散型ゲームなどがある。
カルダノ(ADA)の概要
名称 | Cardano (カルダノ/エイダコイン) |
ティッカーシンボル | ADA |
創設者 | チャールズ・ホスキンソン(Charles Hoskinson) ジェレミー・ウッド(Jeremy Wood) |
運営 | カルダノ財団、IOHK、Emurgo |
ローンチ時期 | 2017年9月 |
発行枚数 | 450億枚 |
アルゴリズム | ウロボロス(Proof of Stake) |
取り扱い取引所 | GMOコイン、bitbank、SBI VC トレード他 |
公式HP | https://cardano.org/ |
最新の価格、時価総額、ランキングはこちら↓↓
創設者は、チャールズ・ホスキンソン(Charles Hoskinson)、ジェレミー・ウッド(Jeremy Wood)。
イーサリアムの開発者でもあるャールズ・ホスキンソンが手掛けたとあって、ローンチ当初からかなり話題になりました。
カルダノ(ADA)の運営・管理
カルダノ(ADA)の運営は、カルダノ財団、IOHK、Emurgoがおこなっています。
■カルダノ財団
カルダノ財団は、カルダノエコシステムの監督と推進を担当する非営利組織です。
スイスに本拠を置き、カルダノのプロジェクト全体のガバナンス、パートナーシップの促進、規制の遵守などを担当しています。
具体的には、カルダノの技術が適切に運用されるようにするための規制枠組みの確立や、カルダノのコミュニティの支援を行っています。
また、教育プログラムやイベントを通じて、カルダノの理解と普及を促進しています。
「カルダノが持続可能で分散化されたエコシステムとして成長し、社会に貢献すること」
これがカルダノ財団の目的です。
引用|カルダノ財団HP
■IOHK(Input Output Hong Kong)
IOHKは、カルダノの技術開発を担当する企業で、カルダノの創設者の一人であるチャールズ・ホスキンソンが共同設立しました。
IOHKは、ブロックチェーン技術と暗号通貨に関する最先端の研究と開発を行い、カルダノの主要な技術革新を推進しています。
特に、カルダノの基盤技術であるウロボロス(Ouroboros)プロトコルの設計・実装を担当しました。IOHKの使命は、「分散型システムの構築を通じて、世界中の金融アクセスを向上させること」です。
また、IOHKはカルダノの学術パートナーシップを推進し、ブロックチェーン技術の研究を行うために大学や研究機関と連携しています。
引用|IOHK公式HP
■Emurgo
Emurgoは、カルダノの商業部門として、カルダノエコシステムの実用化とビジネス展開を支援する企業です。
Emurgoは、カルダノブロックチェーンを活用した企業向けソリューションの開発や、スタートアップ企業の育成、投資を行っています。
具体的には、ブロックチェーン技術を導入しようとする企業に対して技術サポートを提供し、カルダノの活用を促進しています。また、Emurgoはカルダノの教育プログラムを運営し、ブロックチェーン技術の普及を推進しています。
「カルダノを世界中の企業にとって信頼できる技術プラットフォームとして位置づけること」 それがEmurgoの目的になります。
引用|Emurgo公式HP
カルダノ財団が規制とガバナンス
IOHKが技術開発
Emurgoが商業展開
をそれぞれ担当することで、カルダノは多面的に強力なエコシステムを築いています。
それぞれの組織が連携し、カルダノの持続可能な成長と技術革新を推進しているのですね。
カルダノ(エイダコイン) の特徴
仮想通貨の「最適解」を集約
カルダノは、他の仮想通貨プロジェクトとは異なるアプローチを採用しています。
多くのオープンソースプロジェクトのように包括的なロードマップや権威あるホワイトペーパーを発案・策定する代わりに、設計原則や工学的ベストプラクティス(最善・最適な方法)、そして探求のための方法論を収集し、採用しています。
カルダノ公式HPには以下のものが方法論として挙げられています。
- 台帳システムと計算処理を別々の階層に分離する
- コアとなるコンポーネントをモジュール性の高い関数によって実装する
- 査読が行われる研究と競合する学者や開発小規模グループを作る
- InfoSec(情報セキュリティ)の専門家を早期に採用するなど学際的なチームを多用する
- ホワイトペーパー、実装、そしてレビュー中に発見された問題を修正するための研究を迅速に行う
- ネットワークを破壊することなく、導入後のシステムをアップグレードする機能を構築する
- 今後の研究となる分散型資金調達の仕組みを開発する
- モバイルデバイス上で安全に動作するための長期的な仮想通貨の設計の改善を行う
- 仮想通貨を運用および維持するために、ステークホルダー同士の関係を密接にする
- 同じ台帳システムで複数の資産を運用する必要性を認識する
- 従来のシステムのニーズに応えるために、オプションとしてメタデータを含むことができるようにトランザクションの抽象化を行う
- 約 1,000 のアルトコイン から理にかなっている機能を学習し、採用する
- 最終的なプロトコル設計を決定するためにインターネット技術タスクフォース(IETF)に触発された規格駆動のプロセスを採用する
- 商業の社会的側面を探求する
- ビットコインから継承した基本原則を損なうことなく、規制機関が商取引と対話するための健全な妥協点を見つける
参考|カルダノ公式HP
ほとんどの仮想通貨は、ひとり、または数人の天才が立案したプロジェクトにみんなが乗っかるパターンが多いですね。
どのような発想から、「探求のための方法論を収集し、採用する」という形に至ったのかわかりませんが、とても興味深いアプローチだと思います。
学術的、というんでしょうか?
他の仮想通貨にはない、カルダノの大きな特徴と言えますね。
学術的に証明「ウロボロス」
ウロボロス(Ouroboros)は、カルダノが採用するプルーフ・オブ・ステーク(PoS)アルゴリズムであり、世界初の学術的に査読されたPoSプロトコルです。
まず先に、仮想通貨の肝であるコンセンサスアルゴリズムについて、カンタンに説明します。
コンセンサスアルゴリズムとは
コンセンサスアルゴリズムとは、たくさんのコンピュータ(これをノードと呼びます)が協力して、全体で同じ情報を共有しながら、正しい取引を確認するための仕組みです。
例えば、友達10人と一緒に、お店で買い物をするとします。
みんなでお金を出し合って、誰が何を買ったかを10人それぞれが記録していると想像してください。
10人全員がその記録を持っていれば、一人が間違えても他のみんなが正しい情報を持っているので、その記録が正確であることを確認できます。これが、コンセンサスアルゴリズムの基本的な考え方です。
ブロックチェーンでは、取引のデータをブロックという単位でまとめ、これをチェーン(鎖)のように連結しています。
各ノード(コンピュータ)は、このチェーンの最新のブロックが正しいかどうかを確認するために、コンセンサスアルゴリズムを使います。
これにより、誰かが不正をしようとしても、他の多くのノードが正しい情報を持っているので、不正を防止できるのです。
代表的なコンセンサスアルゴリズムには、ビットコインで使われるProof of Work(PoW)や、カルダノで使われるProof of Stake(PoS)があります。
PoWでは、コンピュータが複雑な計算を解いて取引を確認し、PoSでは、通貨を多く持っている人が取引を確認します。
コンセンサスアルゴリズムは、ネットワーク全体の安全性と正確性を保つために重要な役割を果たしています。
PoS、PoWそれぞれの特徴は以下の通りです。
プルーフ・オブ・ステーク(PoS)
仮想通貨保有量が多いほどブロック承認の役割を得られる確率が高くなる仕組み
メリット:承認までの時間が短い
デメリット:通貨保有量の多い人が有利なため、富の集中が起きやすい
PoS採用銘柄:ADA、イーサリアムなど
プルーフ・オブ・ワーク (PoW)
膨大な計算をこなして、先に取引を承認した人が報酬を得られる仕組み
メリット:誰でも参加できる
デメリット:膨大なコンピュータを使用するため、消費電力が大きい
PoW採用銘柄:ビットコイン、ライトコインなど
長くなってしまいましたが、カルダノのコンセンサスアルゴリズムであるウロボロスは、プルーフ・オブ・ステーク(Proof of Stake)をベースにしています。
このアルゴリズム(ウロボロス)は、エネルギー効率が高く(省エネ)、セキュリティに優れていることが特徴です。ウロボロスは、カルダノのブロックチェーンネットワークが取引を検証し、新しいブロックを生成する方法を定めています。
具体的には、ウロボロスは時間を「エポック」と「スロット」に分けて管理します。1つのエポックは複数のスロットで構成され、各スロットは一定の時間間隔で新しいブロックを生成する機会を提供します。
各スロットには「スロットリーダー」がランダムに選ばれ、エイダ(ADA)の保有量に基づいて新しいブロックを作成する権利が与えられます。エイダ保有者は、自分のエイダをステークプールに委任することで、技術的な知識やリソースがなくてもネットワークに貢献し、報酬を得ることができます。
ウロボロスは数理的な証明に基づいて設計されており、高いセキュリティを提供します。学術的な査読プロセスを経て検証されているため、その安全性と信頼性は高く評価されています。
PoSの弱点として「富の集中が起きやすい」と説明しましたが、初期分配において、特定の個人やグループに保有が集中するリスクは一定程度存在します。
しかし、ステーキングプールの導入とコミュニティ主導のガバナンスにより、その影響を緩和する取り組みを行い、結果として現在のカルダノネットワークは比較的分散され、公平性とセキュリティが確保されています。
また、エネルギー消費が少ないため、環境にも優しいプロトコルです。カルダノはウロボロスを継続的に改良していて、将来的なアップグレードも予定しています。
カルダノは常に最新の技術と最適なセキュリティを維持し、持続可能なブロックチェーンネットワークとして成長し続けているのです。
スマートコントラクト「プルータス」
カルダノ(ADA)は2021年に、スマートコントラクト機能「プルータス(Plutus)」を導入しました。
前述しましたが、スマートコントラクトとは、「条件が満たされると自動的に実行されるプログラム」のことで、これによりカルダノのブロックチェーン上で複雑な契約や取引が自動化できるようになりました。
プルータスはカルダノが導入した独自のスマートコントラクトプラットフォームで、いくつかの特徴があります。
「高い信頼性と安全性」
プルータスは高度なプログラミング言語を使用して設計されています。この言語は、関数型プログラミングの概念に基づいており、そのおかげでプログラムのエラーやバグを減らすことができます。
結果として、スマートコントラクトの実行がより安全で信頼性の高いものとなります。この信頼性と安全性は、金融取引やその他の重要なデータを扱う場面で特に重要です。
「使いやすい開発環境」
プルータスには、開発者がスマートコントラクトを簡単に作成・テストできる統合開発環境(IDE)が用意されています。
このIDEは、スマートコントラクトの作成から実装までを一貫してサポートし、初心者の開発者でも容易に取り組むことができるように設計されています。そのため、幅広い層の開発者がカルダノ上でアプリケーションを開発することが可能になります。
「エンドツーエンドの開発」
エンドツーエンドとは、「端から端まで」という意味です。
プルータスは、スマートコントラクトのバックエンド(サーバー側)とフロントエンド(ユーザー側)の両方をカバーしています。
開発者は一貫したプログラミング環境で、アプリケーションを構築することができます。バックエンドとフロントエンドを同じ環境で開発できるため、開発の効率が向上し、バグや不整合の発生が減少します。
そのため、プルータスはカルダノのエコシステム内で強力なツールとなり、開発者が安全で効率的なスマートコントラクトを作成するのを支援しています。
カルダノのプルータスを使用することで、ユーザーは高い信頼性を持つアプリケーションを提供でき、開発の手間を大幅に軽減することができます。
プルータスを使って作成されたスマートコントラクトは、以下のような場面で利用できます。
■不動産取引
売買契約の条件が満たされると、自動的に資金が移動し、所有権が変更される。
■保険契約
保険の条件(例:天災による被害)が発生すると、自動的に保険金が支払われる。
■デジタルアイテムの取引
ゲーム内のアイテムやデジタルアートの所有権がスマートコントラクトで管理される。
あくまでもスマートコントラクトの例ですが、イメージしやすいと思います。
プルータスの導入で、カルダノは単なる暗号通貨の枠を超え、多様なアプリケーションをサポートするプラットフォームへと進化しました。スマートコントラクトは、カルダノの成長と普及に大きく貢献しています。
ウォレットでステーキング
カルダノ(ADA)の特徴の一つは、ウォレットで簡単にステーキングができることです。
ステーキングとは、自分の持っているADAをブロックチェーンのネットワークに預けることで、そのネットワークを支援し、報酬として新しいADAをもらえる仕組みです。
この方法で、ADAを持っているだけで追加の収入を得ることができます。
カルダノでは、以下のウォレットを使ってステーキングを行うことができます。
ダイダロスウォレット
ダイダロスウォレットは、安全性が非常に高いウォレットです。このウォレットはPCに対応しており、自分のパソコンにインストールして使います。ダイダロスウォレットは完全なノードとして機能するため、カルダノのブロックチェーン全体をダウンロードして同期します。ですから、高いセキュリティを確保し、ネットワークに完全に参加することができます。ダイダロスウォレットは、セキュリティを重視する人におすすめです。
ヨロイウォレット
ヨロイウォレットは、シンプルで動作が軽いウォレットです。このウォレットはPCだけでなく、スマホにも対応しています。ヨロイウォレットは、ブラウザ拡張機能としてインストールするか、スマホアプリとしてダウンロードして使います。ヨロイウォレットは軽量であり、ブロックチェーン全体をダウンロードする必要がないため、すぐに使い始めることができます。シンプルな操作性と速い動作を求める人におすすめです。
これら2つのウォレットを使ってADAをステーキングすることで、自分の資産を増やすチャンスが広がります。ダイダロスウォレットとヨロイウォレットのどちらを選ぶかは、自分の使い方や好みによります。
高いセキュリティを重視するならダイダロスウォレット
簡単で手軽に使いたいならヨロイウォレット
が良い選択です。どちらのウォレットも、初心者でも簡単に使えるように設計されていますので、安心して利用できます。
カルダノのロードマップ
カルダノの開発は、5つの主要なフェーズに分かれています。
①Byron(バイロン): ネットワークの基盤を構築
②Shelley(シェリー): 分散化を進めるフェーズ
③Goguen(ゴゲン): スマートコントラクトの導入
④Basho(バショウ): ネットワークのスケーラビリティ向上
⑤Voltaire(ボルテール): ガバナンスと自己維持可能なシステムの確立
参考|カルダノ公式HP
Byron(バイロン)フェーズ
Byronフェーズはカルダノの初期フェーズであり、2017年9月にスタートしました。このフェーズでは、カルダノの基盤となる技術が構築され、エイダ(ADA)の取引が可能なプラットフォームがローンチされました。
また、デスクトップウォレット、ダイダロス(Daedalus)が導入されたことで、ユーザーはこのウォレットを通じてエイダを安全に保管し、送受信することができるようになりました。
このByronフェーズでは、カルダノのネットワークが安定するための初期の設定やバグ修正が行われ、基礎となる技術基盤が確立されました。また、この期間中にカルダノの技術的な詳細やアーキテクチャが公開され、多くのエンジニアや開発者がプロジェクトに参加するきっかけとなりました。
Byronフェーズは、カルダノが信頼性のあるブロックチェーンとしての第一歩を踏み出すための重要な期間でした。
Shelley(シェリー)フェーズ
Shelleyフェーズは、カルダノの分散化を進めるためのフェーズであり、2020年7月に開始されました。
このフェーズの主な目標は、ネットワークの分散化を実現し、前述したステーキングシステムを導入することです。Shelleyフェーズの開始により、カルダノは完全に分散化されたネットワークに移行し、多くのノードが分散して運営されるようになりました。
これにより、ネットワークのセキュリティと信頼性が大幅に向上しました。ステーキングとデリゲーションのメカニズムが導入され、ユーザーはエイダをステークすることでネットワークの運営に参加し、報酬を得ることができるようになりました。
技術的には、Shelleyフェーズでは新しいインセンティブスキームとステーキング報酬のモデルが導入され、ネットワークの長期的な持続可能性が確保されました。
Shelleyフェーズは、カルダノのコミュニティにとって重要な進展をもたらし、ネットワークの健全な成長を促進しました。
Goguen(ゴゲン)フェーズ
Goguenフェーズは、カルダノにスマートコントラクト機能を導入するためのフェーズであり、2021年9月に開始されました。
このフェーズの目標は、開発者がカルダノ上で複雑なスマートコントラクトや分散型アプリケーション(Dapps)を構築できるようにすることです。
Goguenフェーズでは、Plutusプラットフォームが導入され、開発者は強力な型システムを持つ関数型プログラミング言語を使用してスマートコントラクトを作成することができます。
型システムとは
コンピュータープログラムの中で扱うデータに「種類」をつけて管理する仕組み
型システムを、お菓子の箱に例えて考えてみよう
チョコレート用の箱
キャンディー用の箱
クッキー用の箱
これらの箱が、プログラミングの「型」
■型システムの働き
正しい分類
チョコレートはチョコレートの箱に入れる
キャンディーはキャンディーの箱に入れる
クッキーはクッキーの箱に入れる
これは、プログラムで正しい型のデータを正しい場所に入れることと同じ
間違いを防ぐ
チョコレートをキャンディーの箱に入れようとすると、「ここはキャンディー用だよ」と教えてくれる
プログラムでも、間違った型のデータを使おうとすると、エラーを出して教えてくれる
整理整頓
箱に入れることで、お菓子が混ざらず、探すのも簡単になる
プログラムでも、データが整理されて、使いやすくなる
■実際の例
実際のプログラミングでは、
数字用の箱(整数型、小数型)
文字用の箱(文字列型)
はい/いいえ用の箱(真偽型)
などがある
プログラマーは、これらの「箱」を使って、データを正しく整理し、間違いのないプログラムを作る
このように、型システムは、プログラムの中でデータを正しく扱うための「お菓子の箱」のような役割を果たしている
また、金融契約向けの専用スマートコントラクト言語であるMarloweも提供され、金融業界の専門家が直感的にスマートコントラクトを作成できる環境が整えられました。
さらに、Goguenフェーズではネイティブトークンのサポートが導入され、ユーザーはカルダノ上でエイダ以外のトークンを発行・取引することが可能となりました。
これにより、カルダノはより多機能で柔軟なプラットフォームとなり、幅広い用途に対応できるようになりました。
Basho(バショウ)フェーズ
Bashoフェーズは、カルダノの性能とスケーラビリティを向上させるためのフェーズです。このフェーズの主な目標は、ネットワークの効率化と処理能力の向上を実現することです。
具体的には、サイドチェーンの導入が計画されており、これによりメインチェーンの負荷を軽減し、より多くのトランザクションを迅速に処理することが可能になります。
サイドチェーンは、メインネットワークから独立して動作するブロックチェーンであり、特定の用途やアプリケーションに最適化された環境を提供します。そのため、カルダノのメインネットワークは一層効率的に動作し、全体の処理能力(スループット)が向上します。
さらに、Bashoフェーズではネットワークの最適化とアップグレードも行われ、カルダノが大規模なユーザーベースに対応できるようになります。
このフェーズは、カルダノの技術的な成熟度を高め、広範な実用化を促進するための重要なステップです。
Voltaire(ボルテール)フェーズ
Voltaireフェーズは、カルダノの完全な分散化と自己持続可能性を目指す最終フェーズです。
このフェーズの主な目標は、自律的なガバナンスと財政管理システムを構築することです。Voltaireフェーズでは、カルダノのコミュニティがネットワークの提案や改善案について投票することができる投票システムが導入されます。
このシステムによって、エイダホルダーはネットワークの方向性を決定し、プロジェクトの進行を民主的に管理することができます。
また、ネットワークの維持と開発資金を内部で生成し、配分する財政システムも導入されます。そのため、カルダノは外部の資金調達に依存することなく、自己持続可能な形で成長し続けることができるようになります。
Voltaireフェーズは、カルダノが完全に分散化されたエコシステムとなり、コミュニティの意思によって運営される真の分散型ネットワークを実現するための最終段階です。
カルダノ(エイダコイン) の価格動向
カルダノ(ADA)の価格動向は、仮想通貨市場全体のトレンドに影響を受けています。以下は、カルダノの価格動向の概要です。
カルダノ(エイダコイン)の価格動向に関する主要なトピックと出来事を時系列で紹介します。尚、価格はドル表記としました。
①ローンチ〜2020年
カルダノは2017年9月にローンチし、初期価格は0.02〜0.03ドル程度でした。2020年7月29日のシェリーハードフォークを控えて価格が上昇し、8月9日に0.1454ドルでピークを迎えました。
この期間に、ステーキングの導入やスマートコントラクトの開発が開始されました。
②2021年
2021年は価格が大きく変動した年でした。
3月初めに1.29ドルを記録し、5月には約3ドルまで上昇しました。9月2日には史上最高値の3.1ドルを記録しましたが、年末には1.31ドルまで下落しました。
イーサリアムトークンとのブリッジ機能の発表やスマートコントラクト「プルータス」の導入、日本での初上場などが価格上昇の要因となりました。
③2022年
2022年は全体的に価格が下落し、年末には約0.25ドルまで下がりました。
9月には大型アップグレード「Vasilハードフォーク」が実施され、一時的に注目を集めましたが、価格にはあまり反映されなかった印象です。
④2023年
2023年は順調なスタートを切りましたが、6月のSECによるバイナンスとコインベースの提訴により価格が27.82%下落しました。
その後、バイナンスジャパンへの上場などを背景に価格は上下を繰り返しました。
⑤2024年
2024年1月のSECのビットコインETF承認後、2月末には0.60ドル以上に回復しました。3月には0.80ドルと高騰して、再び注目が集まっています。
これらの出来事や価格動向は、カルダノの技術開発や規制環境の変化、市場全体の動きなどに影響を受けています。
詳細な価格チャートは、カルダノ価格チャートを参照してください。
カルダノ(エイダコイン) の将来性
それでは、カルダノ(ADA)の将来性について見てみましょう。
学術研究に基づいた設計
カルダノ(ADA)の最大の特徴は、その科学的なアプローチと技術的な強みにあります。カルダノは、数学者やエンジニア、研究者たちが関与する高度な学術研究に基づいて設計されています。
特に、カルダノのウロボロスアルゴリズムは、Proof of Stake(PoS)というエネルギー効率の良いコンセンサスアルゴリズムを採用しており、ビットコインのProof of Work(PoW)に比べて環境に優しいです。
このアルゴリズムは、ネットワークの安全性とスケーラビリティを高いレベルで維持しつつ、エネルギー消費を大幅に削減することができます。
また、カルダノの台帳システムは、取引データとスマートコントラクトの計算を分離することで、システムの効率と安全性を向上させています。
このような、高度な学術研究に基づいたアプローチがカルダノの強みです。
スマートコントラクトの導入
カルダノは2021年に独自のスマートコントラクト機能「プルータス」を導入しました。プルータスは、関数型プログラミングに基づいており、スマートコントラクトの作成と実行が安全で信頼性の高いものとなっています。
関数型プログラミングは、コードのエラーやバグを減らす効果があるため、開発者にとって非常に魅力的です。また、プルータスには統合開発環境(IDE)が提供されており、開発者はこの環境を使ってスマートコントラクトを簡単に作成・テストすることができます。
このシステムは、初心者の開発者でも取り組みやすいように設計されているため、多くの新しいプロジェクトやアプリケーションがカルダノ上で展開されることが期待されています。
エコシステムの拡大
カルダノのエコシステムは、日々拡大しています。カルダノ財団、IOHK、Emurgoという3つの主要な組織が協力して、カルダノの開発と普及を推進しています。
カルダノ財団は主にガバナンスとコミュニティの成長を担当し、IOHKは技術開発をリードし、Emurgoは商業的な応用とパートナーシップの形成を担当しています。
このように、多方面からのサポート体制が整っているため、カルダノは着実にそのエコシステムを拡大しています。
また、カルダノ上で動作するプロジェクトやDApps(分散型アプリケーション)も増加しており、これがカルダノの価値をさらに高めています。
今後、さらなるエコシステムの成長が期待されます。
明確なビジョンとロードマップ
カルダノは、明確なビジョンと段階的なロードマップを持っています。
カルダノの開発は、前述の通り5つのフェーズに分かれています。各フェーズは、それぞれ異なる目標を持ち、段階的にシステムの機能と性能を向上させています。
例えば、Shelleyフェーズでは、ネットワークの分散化とステーキングの導入が行われました。Goguenフェーズでは、スマートコントラクトの機能が追加されました。
このような明確なビジョンとロードマップに基づいた開発は、カルダノの信頼性を高め、投資家やユーザーに安心感を提供しています。カルダノは今後もこの計画に沿って進化し続けると考えられます。
市場と規制の動向
カルダノの将来性を左右するもう一つの重要な要因は、仮想通貨市場全体の動向と各国の規制です。
これはカルダノ(ADA)に限った話ではありませんが、仮想通貨市場はまだ新興市場であり、規制の変化や市場の成熟度によって価格が大きく変動する可能性があります。
特に、米国を含む主要国の規制動向は、カルダノの普及と価格に大きな影響を与えると思われます。
カルダノ(エイダコイン)の懸念点
初期の資金調達について
カルダノ(ADA)は初期の資金調達をアジア、特に日本を中心に行ったとされています。ある意味「日本発」の仮想通貨と言えなくもありません。
しかし、開発資金の調達手法がマルチ商法まがいとの批判があったことは事実のようです。個人的にも、当時あまり良いイメージがなかったことを覚えています。
カルダノには、開発部門と販売部門(資金調達)が存在し、両輪で事業展開を行っていたと言われています。その資金調達の部分がマイナスの印象として残っているのでしょう。
とわいえ、そのマイナスイメージからして、現在の時価総額ランキングでカルダノが常に10位以内にいることは驚異的なことだと思います。この順位が、現在のカルダノの価値を表しているのではないでしょうか?
引用|東洋経済オンライン
技術開発の遅れ
カルダノ(ADA)は、その革新的な設計と科学的アプローチにより高い評価を受けていますが、一方で技術開発の遅れ、特にロードマップの遅延が懸念されています。
カルダノの開発は、複数のフェーズに分かれて計画されており、各フェーズで新しい機能や改善が導入される予定です。
しかし、技術的な複雑さや科学的アプローチに基づいた厳密な検証プロセスのため、予定よりも遅れることがありました。この遅延は一部の投資家やユーザーにとって不安材料となっています。
ですが、この遅れは必ずしもネガティブな要素だけではありません。カルダノは、品質と安全性を最優先に考えており、慎重な開発プロセスを採用しています。
そのおかげで、完成度の高い、安全で信頼性のあるシステムを提供することができます。短期的なスケジュールの達成よりも、長期的な成功と持続可能な成長を目指していると思います。
カルダノの開発チームは、コミュニティとの透明なコミュニケーションを重視し、進捗状況や今後の計画について定期的に報告しています。また新たな取り組みや、さらなる技術革新にも力を入れています。
現在のところ、技術開発の遅れは確かに懸念事項ではありますが、それがカルダノの価値を損なうものではないと考えています。むしろ、慎重で堅実な部分を評価している方も多いのではないでしょうか?
カルダノ(エイダコイン) に関するQ&A
Q. カルダノが上昇した理由は何ですか?
A.2021年9月にカルダノが上昇した理由は、カルダノプラットフォームにスマートコントラクト機能が導入されたことがきっかけです。
この重要なアップグレードにより、開発者はカルダノ上で分散型アプリケーション(dApps)を作成できるようになり、その機能と潜在的なユースケースが大幅に拡大しました。
また、2021年は暗号通貨市場全体が強気相場で、多くの仮想通貨が新高値を記録しました。カルダノもこの恩恵を受けたと考えられます。
Q. カルダノとはどのような仮想通貨ですか?
A.カルダノは、第三世代のブロックチェーンとして開発された仮想通貨で、そのネイティブトークンがエイダコイン(ADA)です。
技術的な革新と高いセキュリティを追求し、スマートコントラクトや分散型アプリケーションのプラットフォームとして機能します。
Q. カルダノは日本で購入できますか?
A.はい、カルダノは日本の主要な仮想通貨取引所で購入可能です。
例えば、ビットバンクやGMOコインなどの取引所で取引できます。
Q. カルダノの過去最高価格はいくらですか?
A.カルダノの過去最高価格は2021年9月に記録されたもので、およそ3.10ドル(USD)です。
この価格は、スマートコントラクト機能の導入に対する期待感によって急上昇しました。
Q. カルダノADAの将来価格はいくらになるでしょうか?
A.カルダノの将来価格を正確に予測することは困難ですが、技術的な進展や市場の需要、規制の動向などにより、今後も価格が変動する可能性があります。
多くのアナリストは、カルダノの技術的優位性とエコシステムの拡大により、長期的には価格が上昇すると期待しています。
カルダノ(エイダコイン) が購入できる国内取引所
はじめて暗号資産に投資するとき重要なことのひとつが、「取引所」選びです。
使いやすさ、手数料の安さなども重要ですが、特に大事なのが「あんしん」「あんぜん」であることです。
つい最近も大手取引所から、「ビットコイン482億円が不正流出」というニュースが流れました。
引用:Bloomberg
このようなとき、わたしたちは無力ですから、取引所の規模や安全性に依存することになります。
だからこそ、取引所にはこだわってほしいですね。
仮想通貨取引全般でおすすめの取引所を5つ、厳選していますのでぜひ参考になさって下さい。
仮想通貨(ビットコイン)取引所おすすめ5選 初心者向けにかんたん解説
取り急ぎおすすめを教えて!という方には、
■bitbank
■GMOコイン
のどちらかで大丈夫です。
どちらも安心安全の国内取引所になります。
ただし、今回のカルダノ(ADA)におすすめの取引所となると、
■GMOコイン
になりますね。
GMOコインは、取引所でステーキングが出来るので、カルダノ(ADA)を保有したい方には特におすすめです。
10分ほどで登録完了。
登録はもちろん無料です。
GMOコイン
オリコン顧客満足度調査で2年連続No.1のGMOコイン。
GMOコインは、フォーブスが選ぶ世界の「信頼できる」暗号資産取引所20社(2024年版)にランクインしています。
参照:フォーブスが選ぶ世界の「信頼できる」暗号資産取引所20社
口座開設、出金手数料や入金手数料などの各種手数料が無料
シンプルな画面で迷わず購入できるノーマルモード搭載
運営はご存知GMOグループ
カルダノのステーキングに対応
CMなどで、会社名をご存知の方も多いはず。
GMOコインは、東証プライム上場のGMOインターネットグループ傘下。
GMOグループは、主力のインターネット事業をはじめ金融、仮想通貨など多くの事業を手掛けています。
利用者にとっては、大手ですから安心感がありますね。
また、ステーキングもカンタン。
預け入れしておくだけで、ステーキングできます。
参考|GMOコイン
カルダノ(ADA)の保有をお考えの方にこそ使っていただきたい取引所です。
登録はもちろん無料です。
カルダノ(エイダコイン) まとめ
設計原則と工学的ベストプラクティスを採用
環境に優しいPoSアルゴリズム
高い安全性と信頼性を実現する「ウロボロス」
ステーキングによる報酬
スマートコントラクト「プルータス」
5フェーズに分かれた開発計画
コミュニティ主導のガバナンス
カルダノ(ADA)は、その革新的な設計原則と科学的アプローチにより、他の仮想通貨とは一線を画す存在です。
ウロボロスアルゴリズムによるエネルギー効率の良いネットワーク運営や、プルータスを活用したスマートコントラクトの高い信頼性は、投資家や開発者からの注目を集めています。
ステーキングにより誰でも報酬を得ることができるシステムや、ダイダロスウォレットとヨロイウォレットによる安全な資産管理など、多くの魅力的な機能が備わっています。
これからのカルダノの成長と発展は本当に楽しみですね。
その可能性を最大限に活用して、ご自身の投資に役立ててください。