「ステーブルコインってなに?」
「USDTとUSDCは何が違うの?」
そんな方に向けて解説します。
仮想通貨初心者にもわかりやすく、それぞれの特徴・選び方・よくある誤解まで徹底解説。
過去の経験も踏まえて、「これだけ知っておけば安心」というポイントをまとめました。
仮想通貨に一歩踏み出すあなたを、安心と安定のステーブルコインが支えます。
執筆者 かず
株式投資20年以上、日経先物トレーダー
仮想通貨7年以上、長期投資メイン
現在ビットコインはじめ、複数のアルトコインを保有
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目次
ステーブルコインとは?その仕組みと重要性
ステーブルコインの基本的な仕組み
ステーブルコインとは、価格の安定性を持つことを目的とした仮想通貨の一種です。
通常の仮想通貨は市場の需給によって価格が大きく変動しますが、ステーブルコインは1コイン=1米ドル(または他の法定通貨)というように、一定の価値を維持するよう設計されています。
■ 裏付け資産による価値の安定
ステーブルコインの多くは、法定通貨やそれに準ずる資産を担保として発行されます。
これにより、仮想通貨市場の価格変動に影響されず、価値が安定しやすくなっています。
代表的なステーブルコインであるUSDCやUSDTは、米ドルと1:1の比率で発行される「法定通貨担保型」です。
例えば、100万USDCを発行するには、同額の100万ドル分の資産を発行元が保有している必要があります。
この準備資産には、以下のようなものが含まれます。
- 米ドルの現金預金
- 米国債などの短期国債
- 信用力の高い現金等価資産(短期証券など)
これらの資産がきちんと保管されていることを示すために、発行元は定期的に外部監査や資産報告書の公開を行います。
この透明性の高さが、ユーザーの信頼につながっています。
■ ステーブルコインの分類
ステーブルコインは、仕組みの違いによって主に次の3つに分類されます。
種類 | 概要 | 主なコイン例 |
---|---|---|
法定通貨担保型 | ドルやユーロなどを担保に発行 | USDC, USDT, BUSD |
暗号資産担保型 | 他の仮想通貨を担保にする | DAI, LUSD |
アルゴリズム型 | 発行量を調整して価格を安定化 | UST(過去に崩壊) |
この中でも、最も実用的で利用されているのが法定通貨担保型です。
実際に、ステーブルコイン市場の9割以上をUSDTとUSDCが占めており、この2つは特に多くの取引所やサービスで利用されています。
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なぜステーブルコインが注目されるのか
仮想通貨には、「速く・安く・誰でも使える」といった利点がありますが、ビットコインやイーサリアムといった主要通貨は、価格の変動幅が非常に大きいという特徴があります。
たとえば、1BTCが午前中に600万円だったのに、午後には580万円になっている。
こうした変動性(ボラティリティ)は、日常的な決済や送金には大きなリスクになります。
こうした中で、ステーブルコインは以下のような安定的な用途を担う存在として重宝されています。
■ 実際に使われているシーン
✅️海外送金
国をまたいで数分で資金を移動できる。従来の銀行送金よりも速く、手数料も大幅に安い。
✅️仮想通貨取引所での基軸通貨
ビットコインなどとの取引ペアとして、USDTやUSDCが多く利用されている。
✅️DeFi(分散型金融)サービス
資産運用、ステーキング、流動性供給などの分野で活用。
✅️価格安定の資産退避先
市場が大きく下落した際に一時的に価値を保つための避難先として使用される。
✅️NFTやメタバース内の通貨単位
価格基準が安定しているため、トラブルなく取引が可能。
このように、ステーブルコインは「仮想通貨を実用レベルで使う」ための土台とも言える存在です。
■ 金融機関・規制当局からの関心も高まっている
近年では、中央銀行や政府機関もステーブルコインの存在に注目しています。
たとえば、アメリカでは中央銀行デジタル通貨(CBDC)の議論の中でも、ステーブルコインの仕組みが参照されています。
特にUSDCは、金融機関や規制当局との親和性が高く、すでに一部の銀行やフィンテック企業で正式に採用が進んでいます。
また、VisaやPayPalといった大手決済企業がステーブルコインと連携する動きも出てきており、仮想通貨が「日常の支払い」に組み込まれる時代が着実に近づいています。
初心者にとってのステーブルコインの意義
仮想通貨に初めて触れる人にとって、「どのコインを持てばいいのか」「損をしないか」という不安は大きいでしょう。
その点、ステーブルコインは価格の変動が小さく、安心して保有・送金・取引できることから、初心者の入口として最適です。
さらに、複雑な仕組みの仮想通貨よりも、「1USDC=1ドル」という直感的なわかりやすさがあるため、仮想通貨の基本に慣れるステップとして非常に優れています。
仮想通貨に対するハードルを下げ、実生活で活用できる可能性を広げてくれる存在──
それがステーブルコインです。
USDTとUSDCの概要
ステーブルコインの中でも特に有名で、利用者が多いのが「USDT(テザー)」と「USDC(USDコイン)」の2つです。
ここでは、それぞれの基本情報や特徴を整理し、初心者にもわかりやすく紹介していきます。
USDT(テザー)の特徴

USDT(Tether)は、最も古く、最も多く流通しているステーブルコインです。
2024年現在の時価総額は1000億ドルを超えており、仮想通貨取引所のほとんどで利用されています。
■ 発行元と背景
USDTは、Tether Limited社によって2014年に発行されました。
本社は香港にあり、仮想通貨取引所Bitfinexと密接な関係を持っています。
ステーブルコインの中では最も長い歴史があり、ビットコインなどの主要な仮想通貨との取引ペアに頻繁に使われています。
◆ 発行元:Tether Limited(テザー社)
◆ 設立年:2014年
◆ 主なチェーン:Ethereum(ERC-20)、Tron(TRC-20)、Solanaなど
◆ 時価総額:1000億ドル以上(2024年時点)
■ 特徴と利便性
USDTの最大の強みは、圧倒的な流通量と取引のしやすさです。
ほぼすべての仮想通貨取引所でサポートされており、流動性の高さから「仮想通貨界のドル」とも呼ばれています。
また、Tronチェーン(TRC-20)を利用したUSDTは、手数料が非常に安く、送金もスムーズ。東南アジアや中南米など、国際送金にUSDTを使うユーザーも増加しています。
■ 懸念点と課題
一方で、USDTは過去に準備資産の不透明性が問題視されたことがあります。
Tether社は当初、「全てのUSDTは1ドルと交換可能な現金に裏付けられている」としていましたが、後に一部はコマーシャルペーパー(企業債)などの流動資産であることが判明し、米当局からの罰金も科されています(参考|CFTC公式HP)。
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現在は改善が進み、Tether社も定期的な資産報告を公開していますが、これから説明するUSDCと比べると透明性への信頼度はやや劣るというのが業界の一般的な見方です。
USDC(USD Coin)の特徴

USDC(USD Coin)は、Circle社とCoinbase社が共同で設計・運営する、信頼性と透明性を重視したステーブルコインです。
2018年に発行が開始され、短期間で急速に普及しました。
■ 発行元と背景
USDCは米国企業であるCircle社によって発行されており、Coinbaseとの連携により米国市場における信頼性が非常に高いと評価されています。
Circle社は金融規制への対応にも積極的で、毎月の資産監査を第三者によって実施・公開しています。
- 発行元:Circle社(米国)+Coinbase
- 設立年:2018年
- 主なチェーン:Ethereum、Solana、Arbitrum、Polygon など
- 時価総額:約250〜300億ドル(2024年時点)
■ 透明性と規制対応に強み
USDC最大の特徴は、準備資産が100%米ドルおよび米国債で構成されている点です。
これにより、「万が一の際にも資産の引き出しが確実にできる」と高く評価されています。

また、Circle社はアメリカの金融当局と連携しながら運営しており、今後のCBDC(中央銀行デジタル通貨)導入におけるパートナー候補としても注目されています。
■ 実務用途での広がり
USDCはその透明性と信頼性から、多くの金融系サービスやDeFiプロトコルで広く採用されています。
たとえば以下のようなシーンで利用が進んでいます。
✅️DeFiでのレンディングや担保資産として使用
✅️法人や決済アプリでの実需(例:Visa、PayPalとの連携)
✅️NFTやWeb3プロジェクトでの決済通貨として利用
透明性が重視される環境では、USDTよりもUSDCの方が選ばれるケースが増えているのが現状です。
USDTとUSDCの立ち位置の違い
USDTとUSDCはどちらも「1ドルと等価のステーブルコイン」ですが、その立ち位置や運用姿勢には明確な違いがあります。
比較項目 | USDT(Tether) | USDC(USD Coin) |
---|---|---|
発行元 | Tether社(香港) | Circle社+Coinbase(米国) |
発行年 | 2014年 | 2018年 |
規制対応 | やや不透明な時期あり | 米国の規制下で運営 |
準備資産の構成 | 米ドル+短期債など | 米ドル・米国債100% |
監査の頻度 | 報告ありだが不定期 | 毎月公開(第三者監査) |
取引所での流通 | 非常に多い | 増加中(特にDeFi分野) |
初心者が知っておくべきポイント
初心者にとって、USDTとUSDCの違いを完全に理解する必要はありません。
ただし、以下のようなポイントを押さえておくと、用途に応じた選択がしやすくなります。
◆手数料重視 → USDT(特にTRC-20)
◇安心・信頼重視 → USDC(ERC-20やL2チェーン)
◇長期保有や運用 → USDC
◆海外取引所の資金移動 → USDT
どちらのコインも仮想通貨の「安定した入口」として非常に有効ですが、使う目的とリスクの考え方に応じて使い分けることが重要です。
➤ TRC-20とは?
TRON(トロン)ブロックチェーン上で発行されたトークンの規格
EthereumのERC-20と似た役割を果たし、TRONネットワーク内でのトークン発行や取引を可能にする
➤ ERC-20とは?
Ethereum(イーサリアム)ブロックチェーン上で発行されたトークンの標準規格
この規格に従うことで、異なる種類のトークンが共通のプロトコルで互換性を持ち、取引や管理が容易になる
➤ L2(レイヤー2)チェーンとは?
ブロックチェーンのスケーラビリティ問題(ユーザーや取引が増えると、ブロックチェーンの処理速度が遅くなり、手数料が高騰してしまう問題のこと)を解決するために、基本となるブロックチェーン(レイヤー1)上に構築された追加のネットワーク層
これにより、取引速度を高速化し、手数料を削減できる
USDTとUSDCの違いを徹底比較
ステーブルコインの中でも、特に利用されている「USDT(テザー)」と「USDC(USDコイン)」。
どちらもドルと1:1の価値を保つ仮想通貨ですが、その運営体制や透明性、用途などに明確な違いがあります。
ここでは、主要な5つのポイントに分けて、両者を比較していきます。
発行体と規制対応の違い
まず注目すべきは、発行元の企業体制と規制への対応姿勢です。
比較項目 | USDT | USDC |
---|---|---|
発行企業 | Tether社(香港) | Circle社(米国)とCoinbase |
設立年 | 2014年 | 2018年 |
規制への対応 | 緩め(過去に罰金歴あり) | 厳格に準拠(毎月監査) |
USDTは、香港のTether社によって運営されており、過去に「準備金の情報を不正確に公表していた」として、前述の通り、米CFTCから罰金を受けた経歴があります。
一方でUSDCは、米国のCircle社とCoinbaseが共同で運営しており、米国の規制に対応するように厳格なガバナンスと監査体制を敷いています。
そのため、より「透明性が高い」「金融機関との相性が良い」というイメージを持たれています。
準備資産の透明性
ステーブルコインの信頼性は、その裏付けとなる資産の透明性に大きく依存します。
USDCは、全ての発行残高に対して100%の米ドルと米国債を準備金として保有していることを毎月監査報告で公開しています。
これにより、利用者は「1USDC=1ドル」の信頼性を客観的に確認できます。
一方USDTは、準備資産の構成にコマーシャルペーパー(短期企業債)や不動産担保証券などが含まれていた時期があり、「本当に安全なのか?」と一部で懸念されてきました。
現在は徐々に改善されており、準備金の内訳の公表も進んでいますが、USDCほどの詳細性と頻度ではありません。
ブロックチェーンの対応状況
両者とも、複数のブロックチェーンに対応していますが、使い勝手や送金手数料に影響する部分でもあります。
チェーン対応例 | USDT | USDC |
---|---|---|
Ethereum(ERC-20) | 対応 | 対応 |
Tron(TRC-20) | 対応(人気) | 非対応 |
Solana | 対応 | 対応 |
Polygon / Arbitrum / Optimism | 対応 | 対応 |
USDTは特に「Tronチェーン(TRC-20)」での利用が活発です。
手数料が非常に安く、送金も早いため、取引所間の送金でよく使われています。
USDCはEthereumをはじめ、SolanaやPolygonなどでも展開していますが、Tronチェーンには対応していません。
その分、ガス代(手数料)が比較的高くなる傾向があるため、利用コストに敏感なユーザーには注意が必要です。
流動性と市場での受容性
仮想通貨市場における流通量・取引高の観点では、現時点ではUSDTが優勢です。
- USDTの発行総額: 約1000億ドル以上(2024年末時点)
- USDCの発行総額: 約250〜300億ドル前後
USDTは圧倒的な取引量を誇り、ほとんどの仮想通貨取引所で主要通貨として採用されています。
特に海外取引所では「BTC/USDT」や「ETH/USDT」が主流ペアです。
一方、USDCは特にアメリカ国内や金融機関との提携、DeFi(分散型金融)分野で強みを発揮しています。
信用度が求められる金融関連の取引において、USDCの安定性と透明性が評価されていると言えるでしょう。
手数料と取引コスト
送金やトレードに関して重要なのが、「手数料(ガス代)」です。
USDTは、Tron版(TRC-20)を利用すれば手数料は非常に安く、数十円〜数百円程度で済みます。
このため、アジア圏ではUSDT(TRC-20)が主流になっているケースも多いです。
一方、USDCはEthereumネットワークでの利用が中心であり、ガス代が高騰すると数千円単位になることもあります。
ただし、最近ではPolygonやArbitrumといったL2(レイヤー2)チェーンでの利用も広がっており、少しずつ低コスト化が進んでいます。
USDTとUSDC、どちらを選ぶ?
それぞれにメリットと課題があるため、「どちらが良い」とは一概に言えません。
目的に応じて選びましょう。
比較ポイント | USDT | USDC |
---|---|---|
流動性・普及度 | ◎ | ○ |
規制対応・透明性 | △ | ◎ |
手数料の安さ | ◎(特にTRC-20) | △ |
信頼性・監査体制 | △ | ◎ |
DeFiとの相性 | ○ | ◎ |
安心感や透明性を重視したいならUSDC、利便性や手数料を優先したいならUSDTという選択が現実的です。
USDTとUSDC 他の仮想通貨との違い
ステーブルコインとビットコイン・イーサリアムの違い
仮想通貨という言葉を聞いたとき、多くの人がまず思い浮かべるのは
ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)かもしれません。
これらは時価総額でもトップを走る代表的なコインですが、ステーブルコインとは明確な違いがあります。
■ 価格の変動幅
最大の違いは、「価格の安定性(ボラティリティ)」です。
✅️ビットコインやイーサリアムなど
市場の需要と供給によって価格が大きく動きます。
1日で5〜10%動くことも珍しくありません。
✅️ステーブルコイン(USDT、USDC)
1ドル前後の価格に固定されており、原則として大きな変動は起こりません。
この違いは、用途や目的にも大きな影響を与えます。
項目 | ビットコイン/イーサリアム | ステーブルコイン |
---|---|---|
価格の安定性 | ×(非常に不安定) | ◎(1ドル前後で安定) |
投資対象 | ◎(価格変動で利益) | △(原則値動きなし) |
支払い・送金の実用性 | △ | ◎ |
担保・資金保管としての信頼性 | △ | ◎ |
つまり、
「増やしたいならBTCやETH」、
「安定して使いたいならUSDTやUSDC」
といった住み分けができるのです。
■ 発行形態の違い
ビットコインは完全な分散型で、誰にもコントロールされていません。
ブロックチェーン上のマイナー(採掘者)がネットワークを支え、中央の管理者はいません。
一方、ステーブルコインは企業によって発行・管理されています。
USDTはTether社、USDCはCircle社などが明確な運営主体を持ちます。
そのため、ステーブルコインは「法定通貨と仮想通貨の中間的な立場」にあるとも言えます。
完全に自由な仮想通貨ではないが、法定通貨より柔軟な使い方ができるというポジションです。
ステーブルコインの用途と利便性
ステーブルコインが登場して以来、仮想通貨の世界は格段に実用的になりました。
以下に代表的な用途を紹介します。
■ 海外送金
ステーブルコインを使えば、国境を越えて数分以内に送金が可能です。
しかも、銀行を通さずに手数料は数十円〜数百円程度。
従来の国際送金(SWIFTなど)は数日かかり、手数料も数千円に及ぶケースが多く、個人利用には非常にハードルが高かったのです。
➤ SWIFTとは
世界中の銀行が国際送金を行うためのネットワークのこと
通常、送金には数日かかり、手数料も高くなるのが特徴
USDTやUSDCを使えば、低コスト・高速・中継不要の送金が可能となり、特に新興国や金融インフラが未整備な地域では大きな価値を生んでいます。
■ 仮想通貨取引の「基軸通貨」
ステーブルコインは、多くの仮想通貨取引所で法定通貨の代わりに使われる基軸通貨となっています。
- BTC/USDT
- ETH/USDC
- SOL/USDT など
特に24時間365日動く仮想通貨市場では、取引のたびに法定通貨に戻すのは現実的ではありません。
そのため、ドルに連動したステーブルコインで一時的に資産を保管するという使い方が主流になっています。
■ DeFi(分散型金融)での活用
最近では、ステーブルコインはDeFi(分散型金融)領域でも不可欠な存在になっています。
✅️レンディング(貸付)
✅️ステーキング
✅️ファーミング(利回り運用)
✅️分散型取引所(DEX)
など、あらゆるプロトコルでステーブルコインが使われており、資産を動かすための“共通通貨”のような役割を果たしています。
➤ プロトコルとは
分散型の金融サービス(DeFi)や送金、トークンの発行などが自動で動くための基本的なルールセットを指す
たとえば、「USDCを預けて利息を得る」「トークンを交換する」などの仕組みは、あらかじめ決められたプロトコルによって実現されている
人の手を介さず、スマートコントラクト(自動実行プログラム)でルール通りに動作するのが特徴
■ NFT・メタバースの経済圏でも活躍
NFTの売買や、メタバース内での仮想経済でも、ステーブルコインは「安定した価値基準」として使われています。
不安定な通貨で売買価格が変動してしまうとトラブルの原因になりますが、USDCなどを使えば価格基準が明確なため安心して取引ができるのです。
どの仮想通貨よりも“使いやすい”存在
ステーブルコインは、ビットコインやイーサリアムのような「価格上昇を狙う投資」ではなく、「安定した価値を保つ実用的なツール」として進化しています。
■価格が動かない安心感
■海外送金や取引の利便性
■金融サービスとの親和性
■規制下でも活用されやすい
こうした特徴から、「初心者が最初に使う仮想通貨」としても非常に適しているのが、USDTやUSDCといったステーブルコインなのです。
仮想通貨=ハイリスク、というイメージを持つ人こそ、ステーブルコインに触れてみることで、その便利さや可能性に気づくことができるでしょう。
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初心者が注意すべきポイント
ステーブルコイン選びの基準
ステーブルコインは便利なツールですが、種類がいくつもあり、どれを選べばよいか迷う人も多いはずです。
特に初心者にとっては、「どれも1ドルと同じなら、何が違うの?」という疑問がわくかもしれません。
ですが実際には、発行体の信頼性、規制対応、送金手数料、使えるブロックチェーンの種類など、選び方によってリスクや利便性に大きな違いが出てきます。
初心者がステーブルコインを選ぶ際に見るべきポイントを整理しておきましょう。
■ 信頼できる発行元かどうか
最も大切なのは、
「そのステーブルコインが本当に1ドルの価値を裏付けできているか?」
です。
それを左右するのが、発行元の企業や団体の信頼性と監査体制です。
◆USDC → Circle社とCoinbase、米国準拠、毎月の監査報告あり
◆USDT → Tether社、過去に透明性での問題あり、現在は改善傾向
USDCのように、準備資産を全て明示し、信頼できる第三者が監査しているコインは、安心して保有しやすいと言えるでしょう。
■ 使用する目的に合っているか
使う目的によって、選ぶべきステーブルコインは変わります。
- 海外送金や手数料を安く抑えたい → USDT(TRC-20)
- DeFi(分散型金融)を使いたい → USDC(ERC-20やArbitrum)
- 高い信頼性を求めたい → USDC
つまり、「どのステーブルコインが優れているか?」ではなく、「自分がどこで、どう使いたいか?」を基準に選ぶことが大切です。
■ 利用する取引所との相性
取引所によって、対応しているステーブルコインの種類が異なります。
たとえば、バイナンスはUSDTの利用が主流ですが、コインベースではUSDCが中心です。
また、日本国内の取引所ではまだステーブルコインの取り扱いが限定的なので、海外取引所を併用することになるケースも多いでしょう。
そのため、自分が使っている(あるいは使う予定の)取引所に、どのステーブルコインが対応しているか事前に確認することが重要です。
リスクとその対策
「ステーブルコイン=安全」
と思われがちですが、完全にノーリスクというわけではありません。
以下は、初心者が特に注意しておくべき代表的なリスクとその対策です。
■ 発行体の信用リスク
もしも発行元の企業が破綻したり、準備金が十分でなかった場合、1ドルの価値が崩れるリスクがあります。
実際、過去には「準備資産が足りないのではないか」と疑われた事例もあります。
こうしたリスクは、監査を受けていないコインや、発行体の情報が不透明なコインで特に高まります。
▶ 対策:
- 毎月の監査報告を公開しているステーブルコイン(例:USDC)を選ぶ
- 信頼性の高い運営元をチェックする(米国企業かどうか等)
■ 規制リスク(法的な制限)
国によっては、ステーブルコインの使用が制限されるケースもあります。
特に、金融当局の規制強化の影響を受けることがあり、突然のサービス停止や引き出し制限がかかる可能性もゼロではありません。
▶ 対策:
- 信頼できる取引所やウォレットを利用する
- 常に最新の法規制情報に目を通す
- 複数のステーブルコインを分散して保有する
■ 技術的リスク(チェーンごとの違い)
送金に使用するブロックチェーンの種類によって、手数料や送金速度、対応ウォレットが変わります。
例えば、Ethereum(ERC-20)ではガス代が高騰することが多く、少額の送金には不向きな場合があります。
反対にTron(TRC-20)は非常に安価で速いものの、すべての取引所が対応しているわけではありません。
▶ 対策:
- 使用するチェーンと対応ウォレットを事前に確認する
- 安価なチェーン(TRC-20、Polygonなど)を活用する
注意すれば、安全で便利なツールになる
ステーブルコインは、価格変動の少ない「安定通貨」として、仮想通貨初心者にとって非常に心強い存在です。
しかし、安心できるからといって、無防備に使ってしまうと意外な落とし穴にハマることもある──それが仮想通貨の世界です。
選ぶときは以下を意識しましょう。
- 発行元の信頼性と監査体制を確認する
- 自分の目的(送金/運用/保管)に合ったコインを選ぶ
- チェーンの違いを理解し、最適な手段で送金・保管する
- 情報を正しく調べ、冷静に判断する
これらを意識するだけで、ステーブルコインをより安全に、効果的に活用することができるはずです。
USDTとUSDCの違い よくある質問
ここでは、ステーブルコインに関してよくある初心者の疑問を、USDTとUSDCの違いにフォーカスして一問一答形式でわかりやすくまとめていきます。
仮想通貨の世界は難しい言葉が多く、最初は不安や混乱も多いものです。
できるだけわかりやすく、丁寧に解説していきます。
Q. USDTとUSDC、どっちを使えばいいの?
A.これは、ステーブルコインを初めて使うときに多くの人が迷うポイントです。
結論から言えば、
「使う目的」と「何を優先するか」
によって変わります。
優先したいこと | 向いているコイン |
---|---|
信頼性・透明性 | USDC |
送金コストの安さ | USDT(TRC-20) |
海外取引所での取引 | USDT |
DeFiサービスの利用 | USDC(ERC-20やL2) |
長期保有・資産の退避 | USDC |
✅️「送金手数料をできるだけ安くしたい」
▶USDTのTronチェーン版(TRC-20)が圧倒的に便利
✅️「ちゃんと裏付けのある、安全性重視の通貨を持ちたい」
▶USDCがおすすめ
どちらも1ドル前後の価値を保ちますが、信頼性や利便性には差があります。
まずは少額から試してみて、自分の用途に合うものを使うのがベストです。
Q. USDTって危ないって聞くけど本当?
A.USDTは世界で最も使われているステーブルコインですが、「危ない」という声を聞くことも少なくありません。
これは主に、過去の準備金に関する透明性不足と、規制当局とのトラブルに起因しています。
■ 過去にあった出来事
- 2021年:米CFTC(商品先物取引委員会)から罰金を科される
→ 理由:保有資産に関する虚偽報告 - 長期間、「どこにどんな資産を保有しているのか」が明らかにされていなかった
これにより、投資家の一部から「本当に1ドル分の資産を裏付けに持っているのか?」という疑念が出ました。
■ 現在は改善が進んでいる
現在は、Tether社が定期的なレポートを公開し、資産の内訳(米国債、現金など)も明示されるようになっています。
ただし、USDCほどの透明性や規制準拠体制ではありません。
したがって、
- 「使いやすさ」を重視するならUSDTも選択肢に入る
- 「絶対に安心できるコインを持ちたい」という場合はUSDCの方が無難
というのが一般的な判断基準となります。
Q. USDCって将来性はあるの?
A.はい、USDCには非常に明るい将来性があります。
特に以下のような点で注目されています。
■ 金融業界との連携が進んでいる
USDCは、米国の大手銀行や企業との連携が進んでいる数少ないステーブルコインです。
Circle社は、米国の規制に準拠した形で運営しており、中央銀行のCBDC(中央銀行デジタル通貨)プロジェクトにも協力しています。
2023年には、大手決済企業PayPalが「PayPal USD(PYUSD)」を発行し、その技術基盤にCircleが関与していたことも話題になりました。

■ 規制対応の“モデルケース”に近い
現在、多くの国がステーブルコインを規制しようとしています。
その中でUSDCは、
「規制に従うことを前提に開発・運営されている」
という点で、規制当局からも受け入れられやすい存在です。
将来的にステーブルコインが銀行業務の一部を担うようになったとき、USDCは金融インフラに組み込まれる可能性が高いと見る専門家も少なくありません。
■ DeFi市場での需要も強い
USDCは、分散型取引所(DEX)やレンディングサービス、ステーキングなど、DeFi(分散型金融)のあらゆるサービスで使われています。
この分野は今後も成長が見込まれており、USDCの存在感も比例して高まると予測されています。
Q. 両方持っていてもいいの?
A.もちろんです。むしろ、分散して持つことはリスク管理の基本です。
- USDT:流通量が多く、手数料が安い
- USDC:透明性が高く、信頼性がある
このように特徴が違うため、両方を用途別に使い分けることで、リスクを抑えつつ柔軟な運用ができます。
たとえば:
- 送金にはUSDT(TRC-20)
- 保有・運用にはUSDC(ERC-20)
- 取引所ごとに使いやすい方を選択
といった使い方がおすすめです。
Q. 日本国内ではどう使えばいいの?
A.2025年4月現在、日本国内の取引所でステーブルコインを直接購入できるのは、SBI VCトレードだけです。

今後、他の国内取引所でもステーブルコインが取り扱われるようになれば、より手軽に使える時代がやってくる可能性もあります。
ステーブルコイン まとめ
ステーブルコインは、仮想通貨の中でも実用性と安定性を兼ね備えた唯一の存在と言っても過言ではありません。
特にUSDTとUSDCは、以下のような観点で高い将来性を持っています。
✅️送金手段としての利便性(速い・安い・国境を越える)
✅️資産保管としての信頼性(価格が安定している)
✅️金融サービスへの橋渡し的役割(DeFiや決済アプリに組み込まれている)
✅️中央銀行デジタル通貨(CBDC)との共存可能性
将来的には、ステーブルコインがデジタル時代のドルとして、個人・企業・政府の間で広く活用される時代が来るかもしれません。
また、法整備が進むことで、より透明で信頼性の高いステーブルコインが生き残っていくと予想されます。
その点で、規制対応に力を入れているUSDCは特に注目される存在です。
これまで仮想通貨で失敗を経験した人も、これから始める人も、ステーブルコインを正しく理解し、使いこなすことで安心して未来に進む一歩が踏み出せるはずです。
ステーブルコインは「投機」ではなく、「実用」。
怖がらずに、だけど油断せずに。
これからのデジタル通貨時代に、欠かせない存在であることは間違いありません。
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